
5番人気・4着
ソフトバンクホークスの柳田悠岐氏所有馬がメイクデビューを制した一戦。芝2000m戦に兄姉が好成績を残す馬が複数存在し、好感触の陣営が多く上位拮抗の混戦となったが、大きな不利を受けながらも差のない所まで追い上げ、血統以上の走りを披露した4着馬に次走での前進を期待する。
ダノンバラード産駒で芝2000m戦の適正はどうかも、厩舎サイドでは「馬体はすっきりしていて調教の動きや時計も良く、芝適正があれば」と5週続けて長めから追われて好時計をマークした能力に期待を持っていた。
上位人気は活躍馬を兄姉に持つ各馬に譲ったが、ブランド力の弱さがありながら追い切りでの動きが評価されて5番人気に推された。
9番枠から好スタートを切り鞍上は促して先行集団の一角を確保したが、1コーナーで内の2頭がゴチャつき躓いた馬が外に大きく寄れて接触し、外に大きく弾かれて後方2番手まで下げさせられるアクシデントが発生。
前進気勢を失ったが鞍上は立て直して後方2番手で何とかレースに参加していた印象さえあった。
ペースは大きく緩んでいたが向こう正面に入っても大きな差が開いており、既に圏外といった厳しい前半戦。
ペースが遅く徐々に馬群は凝縮されたが、インの最後方まで下がって促されながらの追走で、ペースアップした4コーナー手前でも馬群から離れた最後方で厳しい位置のまま直線を迎えた。
ラスト11.8-11.5秒と加速するなか馬群を捌くのにも苦労し、進路を替えながらスパートを開始する。
残り200mでもまだ先団との差は大きかったが、坂を上がって手前を替えると馬群から一気に伸びて猛追を開始。
勝ち馬には離されたが3着馬には半馬身差まで詰め、ラスト200mの脚は上位勢を完全に上回っていた。
結果的に先行勢の決着となったが、大きな不利を受けて後方に下がりながら、直線で馬群を割りながらの上り2位で、前が空いたラスト200mは目立つ脚を見せており、勝ち馬との0.9秒差は決して力負けと感じない。
次走スムーズに立ち回れれば好勝負は必至だ。
3番人気・2着
3歳馬と古馬の対決で荒れるハンデ戦として知られていた新潟記念も、昨年から別定戦に替わり有力馬の始動戦へと移行された。今年もGⅠ馬が5頭出走し豪華なメンバー構成となったが、3歳馬が目標が先の古馬勢を撃破してワンツーを飾った。
斤量有利なゾロアストロに軍配は上がったが、不利な条件を考慮すると2着のこの馬をより高く評価したい。
過去4戦3勝で勝利を逃した一戦もGⅡ戦のクビ差2着と底を見せず、前走のGⅠ・NHKマイルではゴール前一気の脚でGⅠ初制覇を飾るなど世代トップクラスのマイラーである。
今回は秋に向けての始動戦として新潟2000mに参戦で初コース+初距離、古馬との初対決に加えて斤量も同世代のゾロアストロより2キロ重い57キロ。
鞍上効果と目標が先の古馬より勢いが重視されてか3番人気に推されるも、決して有利とは言えない条件であったが、直線での不利を克服してゴール前で猛追する素晴らしい走りを披露した。
レース直前に激しくなった雨の影響かハイレベルメンバーの割に淡々とした流れで、各馬折り合いに専念して長い直線での決め手比べと予感させる前半。
序盤は初距離が影響したかやや行きたがるシーンもあったが、鞍上のルメール騎手は前に馬を置いて何とか折り合いを付けた。
各馬大きな動きがなく終始馬群に包まれながら手応え十分に4・5番手で直線に向くと、追い出しを我慢しながら進路を探るが、その間に内外からスパートを開始した各馬に前に出られてしまい、完全に出し抜けを食らって万事休すの雰囲気であった。
しかし残り200mを切って外から迫ったダノンシーマを行かせて強引に進路を外に持ち出すと、ラスト100mで一気に加速してインから抜け出していた勝ち馬を猛追。
アタマ差及ばなかったがゴール前の脚は際立っており、後一完歩早く外に出せていれば捕えられたと感じさせる惜しい2着であった。
ラスト11.2-12.0秒とラップが落ちた事で脚が溜まっていたぶん差し込めたとも考えられるが、11.0-11.2秒の区間で進路がなく馬なりのまま仕掛けられなかった事は本来致命的なはずである。
不利な条件+直線での致命的なロスがありながらもインパクトある2着は間違いなく底力の証明だ。
マイルCSの前哨戦と考えられていたが、2000m戦でも高いパフォーマンスを見せており、天皇賞・秋も視野に入る今後のローテーションに大注目していきたい。









6番人気・4着
人気以上の好走と言える4着だが、ゴール前の大きな不利がなければ際どい勝負になっており、着順以上の評価で次走狙える馬である。
デビュー前厩舎サイドは「血統や体型からマイルは合いそうだが、まだ成長段階で使いつつ良くなれば」とまだ追い切りで強い負荷がかからず、時計も水準級といった雰囲気で好調教馬が揃ったなか6番人気の評価に留まっていた。
しかしレースでは420キロの小柄な馬体も迫力十分の走りで上位争いを演じ、ゴール前の不利がなければと思わせる惜しい内容で、秘めたポテンシャルの高さは感じられた。
好スタートから主張する馬を行かせ序盤はイン4番手を確保。スムーズに流れに乗るかと思わせたが、外枠から行き脚の付いた2頭が上昇し、揉まれて中団まで下げた事で前進気勢を失い鞍上が促した。
再度先行集団に取り付くも密集した馬群に包まれ小柄な牝馬には厳しい立ち回りとなる。
ペースが緩く4コーナー手前では全馬一団となっての直線勝負になり、ラスト11.7-11.2-11.5秒で推移する末脚比べに持ち込まれた。
馬群に包まれたまま直線に向くと、先行3頭が横にビッチリと並び仕掛けが遅れたが、前3頭の外に出し鋭い脚で差を詰め突き抜けそうな勢いで捕えにかかった瞬間、先に抜け出していた2着馬が外に斜行(鞍上は制裁処分)し、鞍上が手綱を引っ張ったままゴールを迎えてしまった。
勝ち馬とは0.2秒差だっただけに惜しい初陣となってしまった。
道中のややチグハグな追走と直線での大きな不利が敗因で、確かな追走力と追われてのフットワークは十分に評価できるものである。
確かなポテンシャルと上積みが期待できる次走は大きく狙える1頭として期待したい。